sigurros’s blog

印象に残った音楽や文学に対する雑感

夏の魔物 ROVO 2018 9/1

反復するビートによる狂騒のトランスミュージック。ニーチェが言うところのディオニュソス的な芸術にあたるやつ。せっかくなので瞑想状態に近いくらい深く集中して聴いてみようと、目を閉じて、雑多な思考を追いやり、図形的イメージで頭をいっぱいにしてみた。渦巻きに少しずつ全てが吸い込まれていくイメージと光が回りながら乱反射するイメージが浮かぶ。あれだ、これはミラーボールだ。ダンスフロアでミラーボールが回る意味が直感的にわかってしまって面白かった。

もう一つ気づいたことは「私の理性」に先行する「私自身」たる肉体にどれだけ大きく支配されているかということ。大きな音と光に警戒して身体は自然と固くなり、目は閉じられる。それに気づき身体を極力柔らかくしならせ、光が漏れるくらいうっすらと目を閉じるくらいにすると、より音が総体として身体に染み渡り、音楽がもつ狂騒的な側面がより深く理解できるようになった。ルート音っぽい声をあーーーーーと出してみるとより気持ちいい。大声で叫べたらもっと気持ちいいだろうなと思った。あとは酒か。

身体が恐怖していることや無意識に拒絶していることに意識的でないことは実は多い。自分の身体をもっと理解できれば世界の見え方は変わってくると思う。