sigurros’s blog

印象に残った音楽や文学に対する雑感

上野野音 小山田壮平 中村一義

早稲田大のイベントサークル主催イベント。前半は興味ないので中村一義から参加。はっきり言って中村一義のライブは良くなかった。声が出ておらずギタリストに歌も補助してもらってなんとか体裁を保っている感じ。声が出ないのは知っていたのでそこは察していたが、原曲のリフを聴かせないボサノバっぽいアレンジにがっかり。ステージでの立ち振る舞い、見せ方にも違和感があった。ギターは持たず大げさな身振りやリアクションが目立つ。リアムギャラガーだったらカッコがつくかもしれないが、彼のいけてない雰囲気に絶望的に似合っていない。音源をずっと愛聴してきてセットリストも良かったので歯がゆさが残った。


あまりライブ慣れしていない同行者がいて、私自身のテンションも上がらないままじっとりと時間がすぎる。雨が強くなったなと思っていたらサウンドチェックで小山田壮平が登場。stand by meをやってくれたが、格が違った。歌が素晴らしいし、客との距離感が絶妙。適当に喋るだけなのに安心して演奏を楽しめる空気を一瞬で作ってしまう。

本編の白眉は1984。一つ前のベースマンまでは大学生ノリというか、小山田さんの出身が早稲田ということもあって内輪なわーわーという感じが否めなかったが、小山田さんが1984を歌い出し、一瞬湧いたのち会場は静まり返った。聞こえるのは演奏と雨、そして固唾をのんで聴き入る観衆の沈黙。

安易な一体感ではなくて、同じ音楽を全員が全身で感じながら、でもそれぞれが違う風景を浮かべているような時間がとても心地よい。

それで、これなんだよな、と思った。熱狂を生み出すロックンロールバンドで、一瞬で空間を支配するカリスマシンガーなんだけど、観客を徹底的に一人にさせてしまう感じ。「クラブナイトにおいでよ」って歌いながら、ミラーボールで踊りながら、徹底的に一人でいられる感じ。単純な熱狂は気持ちいいけどとても暴力的だ。小山田壮平は優しい人なんだろうな、と思う。


https://youtu.be/zy1oKWNyoOQ


リハ

Stand by Me


早稲田校歌

16

投げKISSをあげるよ

ゆうちゃん

ウォータースライダー

夕暮れのハイ

あの日の約束通りに

ベースマン

1984

愛してやまない音楽を

革命

サイン


アンコール

グロリアス軽トラ